【研究成果】新規の「ナノプレートGMS」により、電気二重層キャパシタのエネルギー密度向上に成功

3DCが量産化を目指す次世代カーボン材料「グラフェンメソスポンジ(GMS)」に関して、東北大学材料科学高等研究所の西原研究室から新たな研究成果が発表されました。

3DCは、東北大学材料科学高等研究所の西原研究室で発明されたGMSの事業化を目指す大学発スタートアップです。現在、GMSに関する特許は東北大学から3DCに移転されています。

電気二重層キャパシタ(EDLC)は、電池に比べて高出力かつ長寿命であり、エネルギー貯蔵の分野で大きな注目を集めています。しかし、エネルギー密度の低さが長年の課題でした。

今回の研究では、従来の微粒子状GMSとは異なる新たなナノプレートGMS(nanoplate GMS, np-GMS)を合成し、EDLCの電極に使用しました。その結果、np-GMSを用いると、微粒子状GMSや市販の活性炭を用いた場合よりもエネルギー密度が向上することが分かりました。

図1:(左)np-GMSのSEM画像、(右)微粒子状GMSとnp-GMSのレート性能比較(引用元:https://doi.org/10.1016/j.electacta.2024.144034
図2:np-GMSの調製スキーム(引用元:https://doi.org/10.1016/j.electacta.2024.144034

本研究グループは、「np-GMSは、GMSを使用したEDLCの工業的な実現可能性を開くものだ」としています。

本研究の成果は、科学誌Electrochimica Actaに掲載されています。

研究内容をくわしく知りたい方は、以下をご覧ください。

・論文
Mesoporous nanoplates consisting of seamless graphene frameworks
(Electrochimica Acta Volume 484, 20 April 2024. 144034)