触媒担体としてのGMS

触媒担体としての使用

水電解装置によるグリーン水素の製造は、脱炭素社会の実現に向けた重要なファクターです。水電解装置の陽極には高電位での耐酸化性と高い導電性を両立する担体の使用が理想とされていますが、実はこのような担体はこれまで存在しませんでした。そのため、水電解装置の陽極では担体を使用できず、触媒を高分散させられない(触媒の使用量が大きくなる)という課題がありました。

また、燃料電池の電極には従来カーボン担体が使用されてきましたが、これらは高電位耐性が不足しているという問題がありました。カーボン担体を焼成すれば高電位耐性を向上させることは可能ですが、代わりに表面積が大きく低下するため、触媒を高分散させる担体としての役割が果たせなくなる点が課題でした。

GMSは、焼成しても多孔性が維持される(高比表面積が維持される)特殊な炭素材料であり、非常に高い高電位耐性を有します。そのため、GMSを水電解や燃料電池用の触媒担体として使用すれば、上記の課題を全て解決できると期待されています。

【関連論文】
Pyrene-Thiol-modified Pd Nanoparticles on Carbon Support: Kinetic Control by Steric Hinderance and Improved Stability by the Catalyst-Support Interaction
Elucidation of oxygen reduction reaction and nanostructure of platinum-loaded graphene mesosponge for polymer electrolyte fuel cell electrocatalyst

3DCは、触媒担体事業で以下の助成金に採択されています(3年間で約3000万円)。
詳細は以下のニュース記事をご覧ください。
「【お知らせ】令和5年度宮城県新規参入・新産業創出等支援事業費補助金(グループ開発型)に採択されました」